かつお節の持つあの香ばしい香りや
なんともいえないうま味は
いったい何によるものでしょうか。
その秘密をさぐってみましょう。
手間が美味しさを作り出す。
かつお節の製造はカツオを選ぶことに始まり、10以上の工程を経てようやく完成します。その間なんと4〜6か月。しかも多くは手作業です。また工程によっては同じ作業が何度も繰り返されます。「整形」後の「焙乾」1つをとっても作業は8〜15回も行われます。半年もかけ、これだけの手間をかけてつくられるかつお節だからこそおいしいのです。
かつお節の脂肪含有量とタンパク質
節にするカツオは脂がのり過ぎていても少な過ぎていてもよくありません。多いと「油節」ができやすく、にごっただしになります。少ないと粘りやつやに欠けます。脂肪含有量は1〜2%が適当で、それには4〜7月にとれたカツオがよく、これでできた節を「春節」といいます。
かつお節はなんといっても多いのがタンパク質です。生のカツオには25%、かつお節になると77%。人体でつくる事のできない必須アミノ酸を8種類も含んでいます。
うま味を引き立てるイノシン酸
かつお節と言えばイノシン酸と言われるくらい、かつお節と密接な関係にあるイノシン酸ですが、かつお節のうま味はこの成分によって作られていると長い間信じられてきました。しかし、近年になってかつお節のおいしさはイノシン酸の量とは無関係で、むしろグルタミン酸のようなアミノ酸にイノシン酸が作用して、その相乗効果によってうま味を発揮することにあります。うま味の引き立て役、それがイノシン酸だったのです。
こんなにある香味の成分
かつお節のあの香ばしい香りは特定の成分ではなく、たくさんの成分が複雑にからみあってできたものです。名前がわかっているものだけで約50種類、わからないものまで入れると約90種類にものぼります。このような食品は他に類をみません。
またかつお節の香りは実際より味を濃くおいしくする働きをもっています。冷ややっこやおひたしの上にひと削りのかつお節をかけるだけで、おいしさが増すのもこのためです。
いぶすことでもたらされる効用
カツオを煮熟後繰り返される「焙乾」には大きな意味があります。「一番火」「二番火」の頃はネトと言われる雑菌の集落の発生を防ぎ、同時に独特の香りを生成します。次に燻煙中のフェノール類物資が節の油の酸化防止を図ります。魚肉は酸化が早く油焼をおこしやすいのです。「焙乾」されなかったら節は変質し、おいしいかつお節にはなりません。
重要な働きをなすカビ
最後の工程のカビ付にはかつお節のうま味を決定づける重要な働きがあります。この作業中ペニシリウム属の青カビに代わって、優良種のユーロチウム属のカビがはえてきますが、これが、「焙乾」だけでは除去しきれない節の中の水分を吸い出す働きをします。またカビの菌糸が脂肪分解酵素を分泌して中性脂肪を分解し、だしの透明度を高めます。
おいしく保つには保存が大事
節のまま保存する際注意しなければならないのが一般のカビです。温度が25〜30度、湿度が80%を越えるとカビが急激に繁殖してきます。また害虫も問題です。湿気を好みます。一番いいのはラップして冷蔵庫か缶の中に入れておきます。また削り節は袋に入れて密封し、冷蔵庫の冷凍庫で保管します。
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